最近目にする事が多いSNS動画広告。
今回は編集のお仕事としてのSNS動画広告の魅力をご紹介します。
僕自身ここ3年ほどSNS動画編集の仕事をしていますが、
お仕事として魅力的なポイントがたくさんあるのです!
- SNS広告とはどんなものか
- SNS動画制作の仕事の魅力
- 需要はあるのか
もくじ
SNS動画広告とは何か
SNSを眺めていると自分がフォローしているユーザーではない投稿、「プロモーション」と書かれている動画の投稿が流れて来ますよね。
あれです。
あのユーザーとして見ているとウザいにぎやかなやつです。
コンテンツ(フィード)の中で登場するのでインフィード広告と呼ばれたりもします。
以下のようなSNSが代表的ですね。
- TikTok
- Youtube
- etc…
SNS動画編集の仕事としての魅力
映像系のお仕事は以下のようなものがありますが、SNS動画広告はこのどれとも違う性質を持っています。
- TVCM
- 映画
- YouTube
- 街灯ビジョンで流れる映像
- 企業VP(BtoB)
ユーザーの反応を見る事ができる
例えばインスタグラム広告ならインスタグラムの管理画面上でユーザーの反応を見る事ができます。
なんと言ってもこれが一番ほかと違っていて面白いです。
ユーザーの反応が数値としてきっちり表示されます。
TVCMや映画などが「高視聴率!」とか「評判が良い!」とか言われるのとは全然違います。
より正確に、かつリアルタイムで結果を見ることができるのです。
- インプレッション(何回広告が表示されたか、どのくらいのユーザーに届いたか)
- CTR(広告のクリック率)
- CV(何人のユーザーが商品の申し込みまで行ったか)
尺が短いので作りやすい
SNS動画広告は15秒や30秒といった短尺のものがほとんどです。
中には6秒というものもあります。
これは僕はメリットだと感じています。
つまり、簡単にいってしまうと1本の動画を作るのに
尺が短い分、時間と労力がかからないんです!
もしくは、1本の動画に時間をかけてつくると尺が短い分、よりクオリティを追求する事ができます。
比較としてYouTubeをあげると、ピンキリですが尺が5分とか10分とかありますよね。
種類 | SNS動画広告 | YouTube |
よく制作される尺 | 6〜30秒 | 数分〜数十分 |
なので、例えばテロップやエフェクト入れ編集をするにしても5分の尺の分の労力がかかります。
作成と推敲と完成後チェックは(どの動画制作でも)必要なので5分の尺の分すべてにかかってくると考えるとそれなりの作業時間がかかります。
それに比べSNS動画広告は15秒!短い!
同じ作業時間でよりクオリティの高いものを制作できるのです。
クオリティがピンキリ
とはいえ上記と少し言っていることが変わりますが、語弊を恐れずにいえば、作品のクオリティはピンキリです。
なぜかというと作品の作り込みというよりは
- 本数をいかに多く制作してPDCAを行うか
- 訴求内容と、それをどの順番で持ってくるか
- 動画全体の秒数
といったことの方が最重要視されるからです。
クオリティはその次点なのです。
もちろんクオリティの高い作品はたくさんあります。
ただ、クオリティが高くなくても良い効果が出ることがザラにあるので上記の要素の方が優先されるのです。
それらを優先したうえで、制作リソースが許せばクオリティを上げていく、という考え方が主流です。
需要がある
例え魅力があっても仕事としての需要がなかったら微妙なのですが、
あるんです。需要。
動画広告費が年々あがっている
今やTV等よりネットをみて過ごす人たちが多くなってきたと言われていますね。
スマホの普及も大きな要因です。
実際、サイバーエージェントが発表している統計では動画広告市場規模は2019年時点で前年の141%に伸長しており、同様の拡大が数年後も続くと推測されています。
TVなどのマスメディア関連より市場規模の占める割合が伸びていくのは明白です。
動画エディターの人手が足りない
どんどん拡大化される動画広告費に伴って、必要とされる広告の数が増えてきています。
つまりそれを作成するエディター、クリエイターも必要とされてきています。
もちろんスキルの高い人材は引く手あまたですが、そうではないある程度動画が作成できるといった人にも募集がかかる状態になっています。
2020年現在では、参入のハードルが低いといえます。
どんな仕事をするのか
大きく2パターンにわかれると思っています。
- 動画エディター
- 動画エディター + ディレクター(プランナー)
エディターだけでも活躍の場はたくさんありますが、ディレクションもできると非常に重宝されます。
というか実はエディターだけ、という場合でも多かれ少なかれディレクション要素は入ってきます。
その理由を解説していきます。
動画の編集
まず動画編集の部分から。
編集は主にAfterEffectsやPremiereを使われる事が多いです。
先述しましたが、6秒〜30秒の比較的短尺の動画を作成します。
この秒数は現在の主流ですが今後変わって事もありえます。
各媒体(Twitter、Instagramなど)の規格にあった画面サイズで作成します。
16×9、1×1、9×16などにリサイズされるケースが多いです。
データの分析
ここからがディレクションの要素です。
web広告ではその他の広告と違って制作が完了してからもやる事があります。
なぜなら配信後の広告の効果状況が見れるからです。
ざっくりいうと、作ったものが世に出たあと、調子が良いのか悪いのか、を気にするという事です。
先述しましたが、以下のような事がわかります。
- インプレッション(何回広告が表示されたか、どのくらいのユーザーに届いたか)
- CTR(広告のクリック率)
- CV(何人のユーザーが商品の申し込みまで行ったか)
これは計測できる事の一部ですが、このような数値を見る事によって動画広告のパフォーマンスを評価することができます。
次回制作物の考案
現状の配信結果を踏まえて、じゃあ次回作はどんなものを作れば良いのかという事を考えます。
以下、例を挙げると、
- 「ショッピングアプリをインストールしてもらう」という目的の動画広告を制作
- 「春限定セールをやっています!アプリを始めるなら今がチャンス!」という訴求内容を伝える
- 2本の動画を制作した
A)冒頭カットに春物カバンの画像を入れたもの
B)冒頭カットに春物アウターの画像を入れたもの
カバンとアウターの商品違いの動画を2本作成し、広告として配信しました。
この次は、良い要素と良くなかった要素を分析して次の改良案を作っていきます。
配信結果の数値を見て、Aのカバンの方がBのアウターよりもたくさんの人がクリックし興味をもってアプリをインスールしてくれたことが分かったとします。
次のアプローチの例としては、
- カバンが良い広告効果につながっている要素だと仮定する
- 別の種類のカバンの画像を使用してもう1本作成
- それをA’として配信する
- 配信後またAとA’の結果を比較して評価する
このようになります。
このアプローチは一部の例で、たとえば「春限定セールをやっています!アプリを始めるなら今がチャンス!」というテロップが大きな要因だと仮定して違う文言に変えてみる、というようなアプローチもできます。
このように
制作→配信して数値を比較→要素を分析→別のパターンを制作→….
というのを繰り返すんですね。
PDCAというやつです。
クリエイターとして、自分の制作物がちゃんと世に出てユーザーの反応が返ってきている感覚がわかるのは手応えを感じる事が出来てとても良いものです。
僕は以前、企業VPや街頭ビジョン用の映像ばかり作っていたので作って終わり!という感じでした。
それが悪いわけではないですが、SNS動画広告のリアルタイムかつ正確に手応えが返ってくるという事を経験するともはやそれ以外では物足りなく感じるようになってしまいました笑
とはいえ、効果分析の領域ではなくても動画編集の部分だけ依頼される仕事の仕方もたくさんあります。
まとめ
ざっくりとした概要のご説明までとなりますが、なんとなくSNS動画広告の事がわかっていただけたら幸いです。
以下に仕事としての魅力のポイントまとめます。
- SNS動画広告市場規模が拡大していて需要がある
- エディターの人手が不足している
- 尺が短いので作りやすい
- クオリティがピンキリ
- ユーザーの反応がみれる
参入ハードルの低さ、将来性、制作のしやすさ、分析ができる面白さ、どれをとってもおすすめできます。
「SNS動画広告 編集 採用」とかで検索しても募集している会社は結構ありますし、ランサーズなどのクラウドソーシングサイトでもちらほら案件の募集をみかけます。
興味があるな、という方はSNS動画広告をお仕事のジャンルとして視野にいれてみるのはいかがでしょうか。